家に帰ると、家族に顔が変ったねと言われた。確かに輪郭がシャープになって髭が生えて別人みたいだ。 かなり腹が痛かったがシャワーをすると痛みが治まってきた。シャワーはガンジス川の沐浴以来だ。こんなにお湯が出るのは嬉しい事だ。 この家が自分が育ってきたところと言う実感があまりなかった。だが徐々にいろいろな感覚が元に戻ってくるだろう。とにかく無事に帰ってきたのだ。 こうしてインドバックパッカーの旅は幕を閉じたのだった。
インドから戻ってからもうずいぶんたつが、今でもインドの夢をよく見る。ガンジス川沿いに歩いて様々な人に話しかけられる夢だ。 あのインドでの非日常の日々の記憶が精神の奥底にこびりついて離れないのだろう。よく若いうちに海外を見ろというが、その大切さを実感させられる旅だった。 この半月の思いでは一生忘れない。
今回の旅で本当に多くの人に関わる事ができて幸運だった。良い出会いも悪い出会いも色々あったが今となってはすべて良い思い出だ。 彼らは今もあの悠久の地で生き続けているのだろう。